介護「うつ」の危険性
認知症の親を介護している場合、家族が「うつ」になるケースが増えています。これまでとは違った親の姿に戸惑い、気持ちが沈んで元気もなくなる。もし「うつ」になった時、どのような危険に陥るのでしょう。そして何に気をつければいいのか。
今回は大物女優の告白とヒットマンの共通点を紐解きながら、解決のヒントを明らかにしていきます。
目次
「うつ」の怖さ…大物女優の告白
数多くの映画やドラマに出演している女優の南果歩さん。彼女は渡辺謙さんとの離婚後、週刊誌のインタビューに答え、「うつ病」であったと衝撃の告白をしました。
うつ病になったとき人間はどのような状態に陥るのか。南さんは赤裸々に当時の心境についてこう明かしていました。
自分が立っていた場所が崩れてなくなって、暗い穴の中にずっといるような感覚があったと思います。それでも毎日朝が来て夜が来て、心ってすごく不思議ですよね、心が動かなくなっちゃうんですよね。涙も出ない。自分の心がフリーズ状態になることをはじめて経験しました。
(南果歩アメバブログ2018.11.30原文より)
自分の心がフリーズ状態になる。南さんはうつ病になった状態を独特の言葉で語られました。そして暗い穴の中に閉じ込められているような感覚を味わったと言います。
とてもつらい経験をしたときに人は涙さえ流すことなく無感覚に陥る。まさにそれが「うつ」の怖さかもしれません。
心がフリーズした状態とは科学的に解釈すれば「脳(思考)がとまった」状態です。
この告白を聞いたときに、筆者は似たようなケースを思い出しました。それは「人を殺すとき」のヒットマンの思考です。
人殺しの知られざる思考
暴力団専門のライターに鈴木智彦さんがいます。
数多くのヤクザを取材し、特異な心理に迫ってきた鈴木さんは以前、ヒットマンの心理状態についてこう綴っています。
暴力団や殺人犯に話を聞き確信したことがある。人殺しは、どこかで思考を停止させないとできない。だから俺は、決して思考停止してはならない。(鈴木智彦Twitterより2017.11.7)
ヤクザ。その中でもヒットマンとして人を殺めるとき、その思考は停止しているといいます。筆者なりに解釈すれば善悪の思考さえも停止したとき、人間は躊躇なく人を殺すことが出来るのだと思います。
心をとめるな
うつ病だった女優の南さんが語った「心がフリーズした状態」と、ヒットマンが人を殺すときの「思考が停止した状態」は、とても似ています。
そしてここに自身が危険に陥らないための大きなヒントが隠されていると思いました。
それは「どんなときでも心をとめない」ことです。
大きな辛さや悲しみに襲われた時、人は誰ても心を閉じて考えることをやめたくなります。しかし一度、心(思考)をシャットダウンすると暗い穴の中から出てこれず、さらに深みにはまってしまうのです。
あれこれ考えてしまうのは良くありませんが、一方で完全に思考を停止することは危険なのです。自分自身や他人を殺めないためにも完全に「心をとめないこと」が大切なのかもしれません。
本日もありがとうございました。