ツナガレ介護福祉ケア

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介護業界のM&A動向や事例〜シルバーカー・福祉用具で海外進出を狙う~ツナガレケア

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介護業界のM&A

介護をベースにしたM&A、合併・買収は年々、増えています。M&Aには、介護サービス会社だけではなく、関連機材やシステムを扱う企業も乗り出しています。例えば、大阪に本社を構える福祉用具・介護用品メーカーの幸和製作所はM&Aを活性化させて売り上げを順調に伸ばしています(2019年現在)。

高齢社会では歩行補助のシルバーカーの需要も高まります。さらに高品質な介護用具はアジアを中心とした海外市場でも高いニーズがあります。この記事では福祉用具や介護用品の視点から介護業界をみていきます。

 

 

福祉用具の使い方

おもな福祉用具に杖があります。それぞれの特性や使い方も違います。たとえば松葉杖を利用して腋窩で体重を支えると腋窩に痛みが出るばかりでなく、事故の元になります。正しくは、手・腕力で体重を支えます。

また歩行器型つえは、手・腕力で体重を支えます。四脚つえは、腕を下ろした時の手首の高さに握り部分を設定すると使いやすくなります。T字つえは、肘関節の屈曲が30度程度になるように長さを調整することが大切です。ロフストランドクラッチは、肘を曲げずに使用します。

 

福祉用具「シルバーカー」で世界を狙う

国内でシルバーカーのトップシェアを誇っているのが幸和製作所です。介護というと施設や居宅サービスを展開する有名企業は多いのですが、幸和製作所は介護施設等を運営しているのではなく、介護に関する周辺器具の開発・販売を生業としています。

創業は古いですが、社員の平均年齢は介護業界では若いように感じます。また大手というより中小企業です。調べてみると現在の社長は2代目。先代の後を引き継いで入社したようですね。なんと5歳の時からシルバーカー作りを手伝っていたそうです。こうした企業は今後も増えそうです。

福祉用具のこれからの動向

今後、注目されるのはシルバーカーなどの歩行補助具かと思います。特にターゲットになるのがシニア男性です。子供の運動会でお父さんがよく転ぶように、男性は若い頃のイメージが強くあるので、高齢になっても無理をしがちな傾向があるように思います。

高齢者の大敵は転倒です。ヒトは歩けなくなると心身ともに弱まるのが早いです。無理をして転倒し、歩きが不自由な人が増えると歩行補助具の「シルバーカー」のニーズはますます高まるでしょう。

しかし男性は、女性に比べて体裁を気にしてシルバーカーをあまり使いたがりません。今後、団塊世代の高齢男性を取り込むには、現場のリサーチやデータ分析はもちろん、シニアが欲しくなるような機能的でスタイリッシュな商品を開発することかも知れません。

韓国の介護

韓国でも日本の介護保険制度に相当する制度が導入されています。福祉用具のシルバーカーも保険対象となっています。先に紹介した幸和製作所でも2019年、韓国から大口受注を完了するなどアジア展開を加速させています。

介護業界では、M&Aが活発化しています。そして福祉用具・介護用品メーカーは海外に目を向けて積極的な動きを見せています。そう遠くない未来、日本の介護を取り巻くサービスや技術はアジア市場だけでなく世界からも注目されるように思います。

コロナ渦によって介護業界に参入する企業も増えており、従来の介護会社の経営は厳しくなってくるかもしれません。しかし新しいことにチャレンジしながらも、職人的なこだわり、現場主義を大切にしている会社はしっかりと生き残っていくと思います。

本日もありがとうございました。