介護福祉オンライン

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介護業界のM&A動向や事例〜シルバーカー・福祉用具で海外進出を狙う

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介護業界のM&A成功事例とは

 

介護をベースにしたM&A、合併・買収は年々、増えています。M&Aには、介護サービス会社だけではなく、関連機材やシステムを扱う企業も乗り出しています。

 

例えば、大阪に本社を構える福祉用具・介護用品メーカーの幸和製作所はM&Aを活性化させて売り上げを順調に伸ばしています(2019年現在)。高齢社会では歩行補助のシルバーカーの需要も高まります。さらに高品質な介護用具はアジアを中心とした海外市場でも高いニーズがあります。この記事では福祉用具や介護用品の視点から介護業界をみていきます。

 

目次 

 

 

福祉用具「シルバーカー」で世界を狙う?

 

国内でシルバーカーのトップシェアを誇っているのが幸和製作所です。介護というと施設や居宅サービスを展開する有名企業は多いのですが、幸和製作所は介護施設等を運営しているのではなく、介護に関する周辺器具の開発・販売を生業としています。以下が簡単な企業プロフィールです。

 

 

社名:株式会社 幸和製作所

年齢:創 業 1965年
代表者 :玉田秀明
従業員数 :(単体)120名
平均年齢: (国内)40.1歳 
事業内容: 歩行車・歩行補助カート、シルバーカー、手すり、杖、入浴用品、排泄用品等

 

 

創業は古いですが、社員の平均年齢は介護業界では若いように感じます。また大手というより中小企業です。調べてみると現在の社長は2代目。先代の後を引き継いで入社したようですね。なんと5歳の時からシルバーカー作りを手伝っていたそうです。

 

介護保険法の施行前からシルバーカー時代を読んでいた先代の父親は先見性のある方だったのかもしれません。2代目のインタビュー記事を読むと「先代のようなカリスマ性がなく自分に何ができるのか悩み苦しんだ」時期もあったようです。

 

しかし先代から社長を引き継ぐと、2018年には株式上場も果たします。さらに海外市場にも攻勢をかけています。具体的にはデイサービスの「パムックとあっぷる」の子会社化、ケアサービス「居宅介護のひだまり」の子会社化などM&Aを活発化させています。

 

しかし上場するまではかなり大変だったよう。アベノミクスで円安が急激に進んだときは海外工場で製品をつくって仕入れているので原価が倍近くに跳ね上がったとか。そこからは2期連続で赤字決算になっていますから、プレッシャーは相当だったのかも知れません。

 

 

福祉用具のこれからの動向

 

幸和製作所の事業から福祉用具の動向を分析してみます。今後、注目されるのはシルバーカーなどの歩行補助具かと思います。特にターゲットになるのがシニア男性です。子供の運動会でお父さんがよく転ぶように、男性は若い頃のイメージが強くあるので、高齢になっても無理をしがちな傾向があるように思います。

 

高齢者の大敵は転倒です。ヒトは歩けなくなると心身ともに弱まるのが早いです。無理をして転倒し、歩きが不自由な人が増えると歩行補助具の「シルバーカー」のニーズはますます高まるでしょう。

 

しかし男性は、女性に比べて体裁を気にしてシルバーカーをあまり使いたがりません。今後、団塊世代の高齢男性を取り込むには、現場のリサーチやデータ分析はもちろん、シニアが欲しくなるような機能的でスタイリッシュな商品を開発することかも知れません。

 

日本の介護が世界を救う?

 

お隣の韓国でも日本の介護保険制度に相当する制度が導入されています。福祉用具のシルバーカーも保険対象となっています。先に紹介した幸和製作所でも2019年、韓国から大口受注を完了するなどアジア展開を加速させています。

 

介護業界では、M&Aが活発化しています。そして福祉用具・介護用品メーカーは海外に目を向けて積極的な動きを見せています。そう遠くない未来、日本の介護を取り巻くサービスや技術はアジア市場だけでなく世界からも注目されるように思います。

 

コロナ渦によって介護業界に参入する企業も増えており、従来の介護会社の経営は厳しくなってくるかもしれません。しかし新しいことにチャレンジしながらも、職人的なこだわり、現場主義を大切にしている会社はしっかりと生き残っていくと思います。

本日もありがとうございました。