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パーソナリティ障害の種類や特徴〜イライラ、苦しい、どうすればいい?

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最近よく聞くパーソナリティ障害。

 

恋人の行動がどうしても理解できないとき、職場で困った行動ばかりとる人…。

 

もしかしたら、その人は、パーソナリティ障害かも知れません。

どのような種類や特徴があるのかまとめてみました。

 

 

 

 

 

 パーソナリティ障害は嘘をつく?

 

2016年、知的障害者の施設で19人が殺害された事件。殺人罪などに問われた元施設職員の植松聖被告は、パーソナリティ障害と診断されています。

 

もちろんパーソナリティ障害のある人が凶悪事件を起こすわけではありません。

 

しかし凶悪な犯罪者の背景には、複合的なパーソナリティ障害である「サイコパシー」が関連している可能性も指摘されています。

 

サイコパシーは、「冷酷性や希薄な感情、利己性、無責任、衝動性、表面的魅力などの特徴」を有するパーソナリティ障害と定義されています。


罪悪感や後悔の念もなく、平然と他者を騙したり裏切る。平気で「うそ」をつくことがその病理の中核をなしていると考えられています。

 

 

メンヘラの特徴とは?

 

パーソナリティ障害に当てはまると思われる言葉に「メンヘラ」があります。 メンヘラではないのかと彼氏が疑う場合、よく聞くのが以下のような状況です。

 

 

<彼氏の部屋にきた彼女>

 

 

●甘いムードで盛り上がっている二人。

 彼女「あなたがいないと生きていけない。ずーっと一緒だよ」

 彼氏「オレもだよ」

 彼女「信じてるよ。愛してるよ」

●彼氏の携帯が鳴る。しかしワンコールで切れる

 彼女「ちょっと、今の電話だれ!?」

 彼氏「し、知らないよ」

 彼女「(突然キレる)オイ!ふざけんなよてめえ!携帯見せてみろよ」

 彼氏「ちょ、ちょっとよせよ」

 彼女「よせよ?誰にいってんだテメエ」

●興奮しながら彼氏に攻撃をする

 彼氏「や、やめろ、おい、やめて!」

 彼女「ふざけんな、ふざけんな、ふざけんな!!」

●バキッと彼の携帯を折る。攻撃的に周囲の物を投げ出す。

 彼氏「やめろ、おい、助けてッ!!」

 

 

いかがでしょうか。熱愛中の恋人同士の痴話ケンカともいえそうですが、問題なのは後半の「攻撃性」を伴うことです。

 

ちょっとしたキッカケで突然切れる。暴言、暴力をふるう。あまりの豹変ぶりに男性でも恐怖を覚えます。これが繰り返されると彼氏も怖くなります。

 

また問題行動とともに「嘘を平気でつく」という要素が加わると、楽しいはずの恋愛が地獄に変わる可能性もあります。

 

嘘を平気でつく人は他人の嘘にも敏感です。猜疑心が芽生えると、その心に囚われて相手を信じることができないまま苦しい恋愛を続けることになります。

 

そのことが障害を重くさせるパターンもあるので気をつけたいです。

 

 

パーソナリティ障害の定義とは

 

厚生労働省ではパーソナリティ障害について、次のように説明しています。

 

 

パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う「反応や行動」をすることで本人が苦しんでいたり、周りが困っているケースに診断される精神疾患です。認知や感情、衝動コントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じるものです。

 


パーソナリティ障害は「個性」という捉え方もできます。ただし、その個性によって周りの人や本人が苦しむのが問題です。

 

パーソナリティ障害は、ほかの精神疾患が前面に出ることが多いです。対処するためには心理職などの専門スタッフと協力することが重要です。

 

よく一人で悩みを抱え込んでしまう方がいます。また家族やパートナーに問題があっても自分がなんとかしないと!と辛さや不安を誰にも相談しない方もいます。

 

しかし最近の研究からもパーソナリティ障害は経過中に大きく変化する、対策によって改善する可能性が高いものと考えられるようになっています。

 

ひとりで悩まずに専門家の力を借りるようにしましょう。

 

 

パーソナリティ障害の診断テスト

 

学校や職場などにパーソナリティ障害の人がいると周囲は困った状態になります。しかし、本人も自身の問題行動に戸惑い、どうしていいのか悩んでいるケースは多いです。

 

アメリカでは、人口の15%がパーソナリティ障害であるという研究報告もあります。この数字を見ると決して他人事ではありません。

 

パーソナリティ障害にはいくつかのタイプがあり、アメリカ精神医学会の診断基準では大きく3つに分類されています。

 

ご自身や周囲に当てはまる人はいないか診断チェックをしてみましょう。

 

A群(奇妙で風変わり)

 

  • 妄想性パーソナリティ障害 (広範な不信感や猜疑心が特徴)
  • 統合失調質パーソナリティ障害 (非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)
  • 統合失調型パーソナリティ障害(会話が風変わりで感情の幅が狭く、しばしば適切さを欠くことが特徴)

 

この中では「空気を読めない」というタイプでしょうか。

協調性がない、コミュニケーション能力が低いなどと評価されてしまうことがあります。

 

問題行動が増えると知らず知らずに友人らが離れていき、孤独に陥ります。

 

寂しさや辛さに慣れるのではなく、信頼できる人を見つけて適切な行動を身につけることか大切です。

 

 

B群 (感情的で移り気)

 

  • 境界性パーソナリティ障害 (感情や対人関係の不安定さ、衝動行為が特徴)
  • 自己愛性パーソナリティ障害(傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)
  • 反社会性パーソナリティ障害 (反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)
  • 演技性パーソナリティ障害 (他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)

 

この中では、境界性パーソナリティ障害がメジャーかもしれません。

先ほどのカップルのケースも、彼女はこの障害が当てはまる気がします。

 

問題なのは反社会性パーソナリティ障害です。暴力行為や危険をともなう行動によって周囲にトラブルを巻き起こします。

 

中2病とも似ていますが、大人になっても反社会的な行動を繰り返すと人生を台無しにする危険性は高いです。

 


C群 (不安で内向的)

 

  • 依存性パーソナリティ障害 (他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)
  • 強迫性パーソナリティ障害 (融通性がなく一定の秩序を保つことへの固執、こだわりが強い)
  • 不安性パーソナリティ障害 (自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)


個人的には、自閉症の障がい者にはC群の傾向が強い気がします。

 

例えば母親に依存する方もよく見られます。また自分の決めたルールに固執したり、常に不安を抱えている方も少なくありません。

 

パーソナリティ障害の共通の特徴としては、発達期からその徴候が認められることです。

 

また認知、感情、衝動コントロール、対人関係といったパーソナリティ機能の広い領域に障害が及んでいます。

 

家庭や職場などで、その兆候を見過ごさないことが必要です。

 

 

ボールを使った感情コントロール方法

 

問題行動を改善する手軽な方法がゴムボールを使用したトレーニングです。

次のようなやり方で感情をコントロールしていきます。

 

  1. 怒りを感じたらゴムボールを握りしめる。
  2. 掌(てのひら)の感覚を味わうようにする。
  3. カッときたら、ぐっと握りしめる。
  4. この感覚をずっと味わうようにする。

 

衝動的な怒りの感情に襲われると心は知らず知らずのうちに「怒り」の渦に支配されます。

 

そこで起こっていることをゴムボールを握ることで、もう一人の自分が客観的に見られるようにするわけです。

 

パーソナリティ障害を改善するのは簡単ではありません。

 

自分のパートナーがそうである場合、別れるのは簡単ですが、現実にはそうもいかないと思います。

 

なんとか相手の苦しみを改善してあげたい・・・。そういう優しい心の持ち主は多いです。

 

しかし1人で抱え込むと自分がメンタルをやられてしまいます。

 

その人の障害はそのひとの一部であります。

障害を治療するか否かを決めるのはあなたではなく、パートナー本人であることを忘れないようにしましょう。

 

本日もありがとうございました。

 

 

 

  

 

文 献


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朝田隆(2010)「認知症」野村総一朗・樋口輝彦・尾崎
紀夫(編)『標準精神医学 第4版』医学書院
Cleckley, H.(1976)The mask of sanity, 5th ed.
St.Louis,MO:Mosby.
Kraepelin, E.(1909)Psychiatrie Ein Lehrbuch fur
Studierende und Artzte. Leipzig: Ambrosius Barth.
[E・クレペリン/西丸四方・遠藤みどり(共訳)
(1994)『精神医学総論』みすず書房]
倉本英彦(2013)「統合失調症」日本子ども社会学会研
究刊行委員会(編)『子ども問題事典』ハーベスト社
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嶋田洋徳(2009)「ケースファイルNo.3『うそ』をつく子」
阿部利彦(編著)『クラスで気になる子の支援 ズバッ
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