ツナガレ介護福祉ケア

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介護の歯みがき〜上下の入れ歯(義歯)はどちらから取るのが正しいのか~ツナガレケア

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口腔ケアとは

介護で重要なのが、口腔ケアです。口腔ケアとは、歯磨きなどをさしますが普通の歯みがきとは少々、違います。高齢になると入れ歯(義歯)を利用している方も多いので、そうしたケアも含まれます。

身体機能の低下でベッド上で口腔ケアを行うケースもありますし、歯ブラシの選び方も大切です。芸能人は歯が命……というCMが流行りましたが、高齢者も歯が命です。今回は、知っておいて損はない口腔ケアの方法をまとめました。

介護「歯みがき」はブラシ選びも重要です

高齢者の歯みがきでは、ブラシ選びも大切です。年をとると粘膜が弱くなっているのでブラシの部分は、やわらかい毛質のものが良いです。また磨きやすいようにヘッドの小さいものを選びましょう。

ヘッドのブラシ部分は極力小さいほうが、磨きづらい部分もしっかりとあてられますし、やわらかければ口腔内を傷つける心配も減ります。

ただし、歯磨き用のブラシは利用する方の好みもありますよね。これらは、あくまでケアする側からの観点なので、本人が大きくて硬い歯ブラシで磨くことを好んでいる場合は、その気持ちを尊重することは必要です。その上で、プロとしての提案をしてお互い納得して口腔ケアを行う方が良いのかなあ、と思います。

ブラッシング前にうがい

高齢者施設では、ご自身でうがいをすることが難しい方もいます。うがいができる利用者さんには、ブラッシング前にうがいをしてもらうことをオススメします。理由としては、汚れや細菌が少ない状態でブラッシングをした方が衛生的だからです。

歯みがきでは舌のケアにも気を配ります。舌の表面には、舌苔(ぜったい)と呼ばれる部分があります。舌苔は口臭の原因ともなりますが、毎回残さず取り除こうとすると舌を傷つけてしまう可能性があります。毎回の口腔ケアで、少しずつ取り除く方法が良いとされています。

寝たきりの方の「歯磨き」は?

寝たきりの方の場合、ベッド上で口腔ケアを行います。ベッドでは、可能であればギャッジアップ機能を使って座位を取ってもらうか、側臥位で行うようにします。

仰臥位(仰向けに横たわっている体位)で口腔ケアを行うと、ブラッシングの際に出た食べかすや唾液で、誤嚥を引き起こす危険性が高くなります。

なるべく起こしてから口腔ケアをしたいのですが、どうしてもダメな場合は、顔は正面より横向きであごを少し引いた姿勢、もしくは側臥位(横を向いた体位)で行います。

施設系の場合は、ほとんどのベッドにギャッジアップ機能がありますが、居宅介護では布団の方もいるので、介護士の技術が求められます。

入れ歯を取るときは下あごから!

高齢になると入れ歯の使用率は、かなり高めです。ケアをする場合は慎重に行います。入れ歯(義歯)を歯ブラシと一般の歯磨き粉を使って磨くと傷をつけ、傷めてしまう原因となります。一般の歯磨き粉には研磨剤が入っているので、義歯が削れてしまう恐れがあるのです。義歯を外すと残りの歯が動いたり、顎関節が不安定になります。みためや発音(歯がないと息漏れによってきれいに発音されなくなる)などの問題もあるため、原則、就寝時以外は装着しましょう。

ただし、就寝時は口腔内の粘膜に負担をかけないようにするため、外す必要があります。ケアの場合は、下あごから外して、上あごを外すとスムーズです。取り付ける場合は、この逆で行います。これは、一般的に上あご用の義歯の方が大きいためです。

義歯は熱湯、注意です

義歯の原料のほとんどはプラスチック素材です。「汚れが落ちそうだから熱湯で洗うといいかも・・・」と勘違いしてしまいそうですがプラスチック素材では、熱湯につけると変形のおそれがあるので注意しましょう。

外した入れ歯はどうするべきか?やはり菌の繁殖を防ぐため、歯洗浄剤の入った溶液に浸しておく方が良いです。乾燥させると義歯の変形のおそれがあります。

口腔ケアのブラッシング方法

高齢の全介護をする場合、唾液の分泌量の低下や、舌の動きの鈍化がみられやすくなります。それらは舌の汚れが落ちにくくなる原因でもあります。口腔ケアでは舌の汚れを取り除くことも重要です。

口腔ケアの方法としては、①歯ブラシで行うブラッシング法、②液体などを口に含んですすぐ洗口法、③清拭剤を浸したガーゼで口腔内を拭く口腔清拭法があります。

歯垢を取り除くには、ブラッシング法が有効です。また洗口法、口腔清拭、すべての方法で義歯は取り外します。

歯磨き粉はつかわない

義歯を歯ブラシと一般の歯磨き粉を使って磨くと傷をつけ、義歯を傷めてしまう原因となります。一般の歯磨き粉には研磨剤が入っているので、義歯が削れてしまう恐れがあるので気をつけましょう。

胃ろうとは?

胃ろうとは、お腹に小さな穴を開け、胃までチューブを通して、そこから栄養を摂る方法です。病気で口から食べることが難しい人や、誤嚥(ごえん)による肺炎を繰り返している人に行われます。

介助の基本とは

介護で歯磨きは重要です。最大機能を活かし、出来る事は見守る。道具を使用して出来るものは、道具の使用を。援助は必要最低限が介助の基本です。

口腔ケアの場合、本人が持ちやすい歯ブラシの使用を進めて見ることが大切です。また歯間ブラシの使用は、歯ブラシよりも口腔内を落とすことができます。

洗口液は補佐的役割ですので、なるべく歯磨きを進めましょう。口をすすぐ際は、誤嚥に気をつけて行いましょう。歯肉を傷つけることは出血などの原因にもなりますので控えましょう。

入れ歯の基本

総入れ歯の場合は、基本的に下→上の順番ではずします。逆に入れる時は上→下の順番です。理由は理由は単に「入れやすいから」です。外す時は、下の歯の前歯の部分をつまみ、上に引き上げるようにします。逆に上の歯は下をうしろに下げるようにすると外しやすいです。

入れ歯の介助をしたことがある人ならわかると思いますが、下の義歯は歯茎に沿った部分だけ、上の義歯は歯茎部分だけでなく上あご部分も含めて作られています。つまり、比較すると上あご部分がある上の義歯の方がデッカい。そのため着脱の際には、極力広いスペースを確保しておいた方がやりやすいため、下の義歯がない状態での着脱がすすめられているわけですね。

まとめ

芸能人同様、高齢者も歯が命。いつまでも輝く歯でいたいですね。

本日もありがとうございました。

 

ほいく畑