ツナガレ介護福祉ケア

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床ずれ(褥瘡)、座薬、緊急時の応急処置~ツナガレケア

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褥そう(褥瘡・床ずれ)

褥瘡(じょくそう)という言葉を介護現場ではよく耳にします。褥瘡とは、簡単にいえば床ずれのこと。寝たきりで動きが少なかった場合、仙骨部に圧がかかります。仙骨のような骨の出っ張りがある部分に長時間圧がかかると、血流が悪くなり赤くなったり水疱ができ、対処しなければ褥瘡になります。

褥そう防止法

褥瘡と食事量の低下は、密接な関係にあります。食事量が低下して筋肉や脂肪が減ると褥瘡ができやすく、また治りにくくなります。食事のコントロールは重要です。また体の一か所に圧がかかり続ける状態を避けるため、定期的な体位変換は必要です。

肌トラブル

褥そうで気をつけたいのが、排せつ管理です。排泄物が長時間肌に触れ続けることで肌トラブルを起こします。排泄物によりふやけた肌は傷つきやすく褥瘡を悪化させる原因となります。

座薬

坐薬は肛門で溶け、直腸に吸収され作用するため、肛門付近で薬がとどまっていないことには直腸に吸収されません。普通の人であれば中腰で、起き上がれない人の場合は横向きで膝を曲げた状態で坐薬をいれます。中腰姿勢で挿入した人は、その後、腰をのばすことで、寝た状態で入れた方は膝を伸ばすことできちんと挿入されやすくなります。

座薬の方向

座薬のときに腹式呼吸をすると腹圧がかかりやすくなるので、外肛門括約筋に力が入ってしまいます。外肛門括約筋を弛緩させるためには口呼吸を促しましょう。座薬はとがっている方から挿入します。その際、手袋を外してから衣服を整えます。というのも手袋に便などが付着することがあります。そのため手袋をしたままだと衣服にまで汚染を広げてしまう可能性があります。

外傷性出血の対応

外傷性出血がある場合は消毒を行い、ガーゼで圧迫止血をします。止血法の基本は圧迫止血です。まずは傷口を清潔な布やガーゼで抑えます。これを直接的圧迫止血法と言います。これで止血できなければ、創部よりも心臓に近い動脈を圧迫する間接的圧迫止血法を行います。

呼吸していない場合

倒れている人がいたら、まずは気道の確保を行います。そのあとで呼吸をしているかどうか確認し呼吸をしていれば回復体位へ、していなければ蘇生法を行います。呼吸していない場合は下顎挙上し、気道を確保を行います。正常な呼吸をしている場合は回復体位、呼吸をしていない場合は気道確保を行います。ただちに医療機関に連絡します。

意識がもうろうとしている場合

意識が朦朧(もうろう)としている場合は、回復体位という方法があります。回復体位とは意識が朦朧とした状態の人を横向きに寝かせる体位の事をいいます。呼吸をしていない場合は生命の危機があるため、救命処置にしたがい仰向けにして首をそらして下あごを引き上げ気道の確保をします。心肺蘇生する場合は、心臓マッサージ30回に人工呼吸1回の割合で行います。

骨折した場合

骨折をした場合は心臓よりも高くして出血量を最小限にします。「高く」するのは、内出血と腫れを防ぐためです。

塩素系漂白剤を飲み込んだ場合

塩素系漂白剤を誤飲した場合は、無理に吐き出すと嘔吐物が気管に入る恐れがあるため絶対してはいけません。口をゆすぎコップ1~2杯程度の「水か牛乳」を飲ませます。応急処置後は誤飲した製品を持って、ただちに医療機関に連絡します。

まとめ

介護福祉の現場では緊急の状況も発生します。その際は、連携している医療機関に連絡することは第一ですが、介護福祉士は応急処置の勉強もしています。出来る範囲で対処して医師や看護師につなぐのも役割だと思います。

座薬を利用している障害のある方もいます。座薬は、膝を伸ばした姿勢では、肛門が見えにくく挿入ができません。側臥位など本人が楽な姿勢で膝を曲げてもらうと肛門が見えるようになり挿入しやすくなります。

もしもの時に知っておきたいのは心臓マッサージのやり方です。心臓マッサージ+人工呼吸の割合は30:2が適当です。心臓マッサージは1分間に100回程度の間隔で行うと有効な心拍出量が期待できます。遅すぎても速すぎても効果が少なくなってしまいます。

緊急時の応急措置を知っておくと何かのときに役立ちます。介護を利用する高齢者も増えると介護福祉士、ケアスタッフの役割はますます大きくなりそうです。本日もありがとうございました。