ツナガレ介護福祉ケア

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【心理学】レスポンデント(古典的)条件づけとオペラント条件づけとは?

 

心理学で有名なのが、レスポンデント条件付けとオペラント条件付けです。

レスポンデント(古典的)条件づけとは、条件反射のことです。ある出来事に条件的に反射し、そのことを能動的に学ぶことを言います。

一方、生活体の自発的な反応に基づく条件づけをオペラント条件づけといいます。

今回は、事例を見ながら紹介していきます。

 

 

レスポンデント条件づけ

レスポンデントで有名なのは、パブロフが行った犬を使った実験です。

餌を与える時にベルを鳴らすという行為を繰り返す事で、犬はベルを鳴らしただけで唾液を出すという条件反射が発生するようになります。

レスポンデントとは、こうした特定の刺激を受けた際に、本来だったら関連の無い反応が無意識に出ることです。

パブロフの犬の実験

犬に餌を与える前にベル(刺激)を鳴らす。これを繰り返すうちに、ベルの音だけで唾液を分泌(反応)するようになった。

レスポンド条件づけの事例

自動車を運転しているときに事故に遭って(刺激)から、自動車に乗ろうとすると不安な気持ち(反応)を強く感じるようになった。

これは、事故に遭った経験から条件反射で不安を感じています。

当初、自動車に乗る=不安な気持ち、ではなかったのですが、事故という経験により、自動車に乗ろうとすると無意識に不安な気持ちになるのです。

会社には行きたいけれど、嫌な出来事に直面して(刺激)から、会社に行こうとすると体が拒否反応(反応)を起こして動けなくなった。

こうした状況も、レスポンデント条件付けに当てはまっています。嫌な条件反射を減らしていく心理的アプローチが必要となります。

オペラント条件づけ

オペラント条件づけは、生活の自発的な反応に基づく条件づけのことです。有名な実験は、スキナー箱です。

スキナー箱

ネズミがバーを押すと餌が出てくる仕掛けになっており、ネズミは何度もバーを押すようになった。

オペラント条件づけは、強化の種類とその与え方によって4種類に分類されます。

正の強化:行動すると強化子が提示され、その行動の頻度が増加。

負の強化:行動すると強化子が除去され、その行動の頻度が増加。

正の罰:行動すると強化子が提示され、その行動の頻度が減少。

負の罰:行動すると強化子が除去され、その行動の頻度が減少。

オペラント条件づけの事例

正の強化

介護でいえば、「デイサービスを試したら思ったより楽しかったので、継続的に利用するようになった」ことは、オペラントに当てはまります。 

つまり、デイサービスの体験(行動)をしたら思ったよりも楽しかった(強化子)ので、継続的に利用するようになった(正の強化)わけです。

正の罰

保育園でいえば、「おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら、優しく扱うようになった」こともオペラントに当てはまります。  

おもちゃを乱暴に扱っていた(行動)子どもに注意をしたら(強化子)、優しく扱うようになった(正の罰)わけです。

ただし、正の罰は、逃走心理(怒られるのは嫌だから、一時的にやめる)によって行われることも多いです。なぜ罰(注意・怒る等)を与えられたのか、相手に本質を理解してもらうことが大切です。

馴化(じゅんか)

馴化は、ある刺激が繰り返し提示されることによって、その刺激への反応が徐々に見られなくなっていく現象です。

たとえば、「工事が始まって大きな音に驚いたが、しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった」のは、馴化に当たります。つまり、大きな音に対して徐々に慣れていったため、その音に対して驚きを感じなくなったわけです。

苦手だったことも繰り返し行うことで平気になってくる、こうした馴化は誰もが経験しているかもしれません。

まとめ

心理を学ぶときに必ず出てくるのが、レスポンデント条件付けと、オペラント条件付けです。介護や福祉の現場でも、心理学を活用する機会は増えています。

ただし、心理学は「研究」の要素が強いようにも思います。実際の現場で心理学を活用するためには、多くの経験や実績を重ねることが重要です。

ひとつの考え方として知っておくことは、自身の頭の整理をする上では大切かもしれません。本日もありがとうございました。