ツナガレ介護福祉ケア

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認知症で急増中!知っておきたい成年後見制度とは?

 

成年後見制度は、民法や契約など法律に基づく制度です。

そのため、家庭裁判所に出向くこともあります。

裁判所と聞くとやや緊張しますよね。

しかし、認知症の増加によって今後、接する機会は多くなるかもしれません。

今回は、知っておきたい成年後見制度を紹介します。

 

 

成年後見制度とは?

成年後見制度は、知的障害や精神障害、認知症などによって、ひとりで決めることに不安や心配のある人の契約や手続きを支援する制度です。

現在、認知症の高齢者は増えており、成年後見制度を利用する方も増えています。

以前は、家族が後見人になるケースが多かったのですが、相続をめぐるトラブルも多発しているため、親族以外の後見人が増えています。

家庭裁判所の役割とは

後見人は、家庭裁判所が審判をして、職権で選任します。

最近は、親族(配偶者、子、親、兄弟姉妹などの親族)が選任されるケースは減っていて、全体の2割程度です。

親族以外の成年後見人として最も多いのは、①司法書士、②弁護士、③社会福祉士です。それぞれに得意分野や料金は違います。

社会福祉法人、株式会社、社会福祉協議会なども選任されています。複数の後見人を選任して役割分担することも可能です。

後見人の選び方

家庭裁判所が選任するときは、判断能力が不十分になった方の心身の状態、生活や財産の状況を確認します。そして、成年後見人となる人の職業や経歴、利害関係の有無も考慮して選任します。

司法書士や弁護士による財産管理を優先するか、介護や福祉の現場を知っている専門家に任せるか、本人や親族で事前に話し合うことをお勧めします。

後見開始の申請者

成年後見の申し立てができる人は、本人、配偶者、4親等内の親族、検察官などです。申立ての動機として最も多いのは、預貯金等の管理・解約で、次が身上保護です。

申し立て権者が見つからない場合は、市町村長も申し立てができます。年々、市区町村長が申立人となった割合も増えており、全体の2割程度になっています。

補助人、保佐人とは?

保佐は、軽い認知症や発達障害などで判断能力は不足するものの、日常の生活は自分で出来ると判断された場合に適用されます。

補助は、保佐よりも更に本人の判断能力の低下が軽い場合に適用されます。

保佐人や補助人についても、同様に家庭裁判所が職権で選任します(補助開始への審判をするには、本人の同意が必要です)。

申立件数で多いのは、①後見、②保佐、③補助、④任意後見監督人となっています。全体の約7割を占めるのは、後見開始の審判です。

成年後見監督人  

成年後見監督人とは、成年後見人が任務を怠ったり、不正行為がないか監督を行なう者のことです。監督人と称されるように、家庭裁判所が選任するお目付け役的な存在です。

監督人は、成年後見人が適切に活動しているかどうかを確認する役割を担っています。ただし、成年被後見人の懲戒に関する権利は有していません。

まとめ

認知症の増加により、成年後見制度の役割も重要になってきています。家庭裁判所によって、責任と権限が付与される成年後見人ですが、できないこともあります。

たとえば、住むところは本人の意思が尊重されます。そのため、成年後見人が本人のためになると考えたとしても、病院や施設への入所を強制することはできません。

また、結婚、離婚、養子縁組などは、一身専属的権利であるため代理行為にはなじみません。

今後、ますます需要の高まる成年後見制度。その役割を本人や家族が理解することで、トラブルも未然に防げることが多いと思いますので、参考になれば幸いです。

本日もありがとうございました。