ツナガレ介護福祉ケア

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保育士あるある〜2021試験で覚えられない有名人4選【ツナガレ介護福祉ケア】

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2021保育試験〜覚えられない有名人4選

 

現在、保育士の試験は年2回行われています。保育試験にはさまざまな有名人が登場します。誰それ?という人もいますが、その功績をフカボリしていくと「ほ〜う」と頷くようなトリビアもあります。

保育士は専門学校に通って合格する方も多いのですが、独学で勉強して合格を目指す方も少なくありません。また介護福祉士は保育士の試験では一部の教科が免除されるのでキャリアアップを狙っている方にはおすすめです。

僕も独学派ですが、保育試験は覚えることも広範囲なので対策が必要です。今回は保育試験によく登場するけど、なかなか覚えられない3人の有名人を紹介します。

 

 

 

①コメニウス(Comenius, J.A.) と世界絵図

 

近代教育の父といわれるのがチェコの教育家コメニウスです。コメニウスだけに「米に臼」などと語呂合わせで覚える方も多いかもしれません。

そんな米に臼のコメニウスの著書が『大教授学』です。教授学の上に「大」とつくのだからヤバそうです。その大教授学で、コメニウスは誰に対しても効果的に楽しく教えるための技法を示しました。誰に対しても効果的で楽しく教えられる方法があるなら知りたいものですよね。

実はその方法は現代にも息づいていました。コメニウスの『大教授学』の理論を具体的に形にしたのが『世界図絵』(オルビスピクトゥス)といわれるものです。この世界図絵は世界で初の絵入り読本とされています。そうなんです、現代版の絵本の生みの親がコメニウスだったのです。

コメニウスは幼児期の教育がその人の生活を左右する重要なものであることを系統的に論じています。そして「すべての人にすべてのことを教える普遍的技術」という理念で活動を行いました。その学習は、感覚に訴えるものでした。そのため「感覚教育」や「直観教育実質陶冶」とも呼ばれています。

 

 

②ルソー(Rousseau, J.-J.)と子どもの発見者

 

保育士対策の人物で重要なのが、ルソーです。とにかく試験に良く出てきます。

ルソーは「子どもの発見者」といわれるフランスの啓蒙思想家です。「子どもの発見者」という呼び名は人物のキャッチフレーズでよく使われるので混乱しやすいです。

ルソーの有名すぎるヒット作が著書の『エミール』(1762年)でして、子どもが大人とは本質的に異なる存在であることを知らなければならない、と主張しています。

「そりゃあ、大人と子どもは違うもんじゃん」と思う方も多いでしょうが、だいたいにおいて真理とはそんなもんです。地球は丸い……の大発見と一緒ですかね。

さて、子供と大人は本質的に違うというルソーの主張。もちろんそれだけで有名になったわけではありません。ルソーの教育観は「児童中心主義」と呼ばれるものです。

ルソーが唱えたのは「子どもから質問してこないかぎり、なるべく大人から積極的に教えようとしない」という消極的教育でした。

彼は「万物をつくる者の手をはなれるとき、すべてはよいものであるが人間の手にうつるとすべて悪くなる」と話しています。

一方、ルソーは自然を重要視していました。著書「エミール」の中でも「自然に還れ。自然を観察するがいい。そして自然が示してくれる道を行くがいい。自然はたえず子どもに試練を与えその挑戦によって自然は子どもの体質をきたえる」とも記しています。

ルソーは性善説(人間の本性は基本的には善である)を信じていました。彼の著書にはエミールの他、『社会契約論』『人間不平等起源論』『新エロイーズ』などがあります。エロイーズって、なんか・・・ですね笑

 

 

③ペスタロッチ(Pestalozzi, J.H.)と育児日記

 

ぺスタロッチも保育士の試験に登場する有名人です。そして覚えにくい人物のひとりです。ぺスタロッチ……語呂にもしにくい。何かと関連付けないとすぐに忘れてしまいます。

そもそもペスタロッチがエグイのは、前述したルソーの思想に感化されて息子を育てたことでした。ちょっと驚きですが、具体的にはルソーの著書『エミール』に基づき息子を3歳半から教育しました。そして『育児日記』を著しました。

「カトちゃんペ、でスターを育てるペスタロッチ」ぐらいしか語呂合わせは思い浮かびません。すみません。

ペスタロッチは教育の目的として、人間の根本的な能力を精神力(頭)、心情力(心)、技術力(手)の3つに分け、頭と心と手を調和的に発達させることを目指しました。アニメ「巨人の星」の星一徹にも負けないほどのパワフル父ちゃんです。

ペスタロッチはこれを達成するために、生活の中のもっとも単純な要素から教えを出発し、特に幼児期の家庭での生活や人間関係がその後の学校や社会の人間関係に発展すると考えました。

ペスタロッチの有名な言葉に「生活が陶冶(とうや)する」があります。これは連続的に高い段階に引き上げる基礎陶冶の理念を考え出しましたものです。なんだか小難しいですが、単純な要素を認識するための「直観」を、概念化に必要な「言葉」と段階的に結びつけることを直観教育といいます。

ペスタロッチの教育理論の神髄は著書『隠者の夕暮れ』に記されており、数、形、語を「直観の三要素」ととらえました。以下が彼の言葉をまとめたものです。

 

 

知的観点においては、基礎陶冶の理念は、その教育原則を「生活が陶冶する」という全く同じ言葉で言うことができる。
道徳陶冶が本質的にわれわれ自身の内的直観から、すなわちわれわれの内的本性に生き生きと語りかける諸印象から出発するのと同様に、精神陶冶はわれわれの外的感覚に語りかけ、活気づける対象の直観から出発する。
自然はわれわれの感覚の印象全般を、われわれの生活に結びつける。われわれの外的認識すべては、その生活の感覚の印象の結果である。

 

 

ペスタロッチの著書には『隠者の夕暮れ』『リーンハルトとゲルトルート』『白鳥の歌』『メトーデ』『基礎陶冶の理念』『幼児教育の書簡』などがあります。

教育理論は直観教育、基礎陶冶。関わった施設名にシュタンツ孤児院、ノイホーフ貧民学校、グランディ学校、イヴェルドン国民学校があります。

 

ということで語呂合わせとしては、「カトちゃんぺでスターを育てたエグいとう(陶冶)ちゃん、ペスタロッチ」としておきましょう。

 

 

④フレーベル(Fröbel, F.W.)とキンダーガルテン

 

幼稚園といえばドイツのフレーベルです。間違いありません。とにかく保育士の試験には紅白の五木ひろしぐらい当たり前に登場します。

フレーベルは1840年、世界で初めての幼稚園、いわゆるキンダーガルテンを創設しました。熱心なキリスト教徒であったフレーベルは1826年に著した『人間の教育』の中で、すべての生命には神の性質(神性)が宿り(在神論)、特に人間の子どもには神の性質が備わっていると語っています。

フレーベルは「遊戯はこの時期における最高の段階である」「母親よ、子どもの遊戯を養い育てよ」「父親よ、子どもの遊戯を保護してやるがよい」など遊びの中に幼児の自発的・創造的な活動が凝縮していると考えました。

そして自ら、遊びにより幼児の発達を促進する教育的遊具として「恩物」を考案しました。遊具は神からの贈り物であると伝え、遊具への感謝の念を子どもに持たせる教育も施しました。

フレーベルは「いざ、子どもたちに生きよう」を合言葉に、ドイツ国内での幼稚園の普及運動に力を注ぎました。

 

まとめ

 

保育士の試験では押さえておきたい4人を紹介しました。というか、この記事を書きながら僕も確認しているのが本音です。

それにしてもすぐ忘れる。なんでという位、覚えられない。でも覚えられるまで繰り返すしかないなあ、と反省を込めて思っています。

これから保育士になる方も、すでに活躍されている方も参考にして頂けると幸いです。

本日もありがとうございました。